最終更新: 2019.9.26
商売を始めるとついつい、お客さんのニーズに応えるために「なんでも揃えよう」としてしまいがちです。
しかし、小さな事業者であるほど、一点集中型でいくべきです。
たとえば、飲食店で「カレーライス」「コーヒー」「アイスクリーム」「海鮮丼」「スパゲティ」などとメニュー並んでいたらどう思いますか?
そもそも何のお店かわかりませんし、どれも中途半端な印象になりますよね?
もし近くにラーメン屋やカレー専門店があったら、そちらに行きたくなるでしょう。
一番売りにしたいものを一つ選びましょう。
お店のウリが複数あると、どれもが霞んで目立たなくなってしまいます。
さらに小さな事業者は、投資できるヒト・モノ・カネなどの資源が限られているため、幅広く手を出せば出すほどどれもが中途半端になってしまいます。
なんでもそろっていてどれもが美味しい店だったとしても、やはり資源を集中して投じている専門店にはかないません。
この話は飲食店に限らず、中小企業や個人事業主などの小さな会社では、限られた資源をどこに集中させるのかはとても重要なことです。
多才で優秀な人ほど陥りやすい罠
小さな会社が成功するためには、なんでも手を出して幅広く揃えようとするよりも、一点集中でやることです。
ある税理士さんの例です。
独立開業を果たしたは良いものの、新規顧客を安定して獲得できずに困っていました。
そこで税理士としてこれまでの受けた仕事を振り返ってみたところ、飲食店からの依頼が特に多いということに気が付きました。
これまで、「税務に関することならなんでもお任せ!」としていたのを、「飲食店専門の税理士です!開業から節税までサポート!」というアピールをするようにし、飲食店専用の料金体系やサービスを開始しました。
Webサイトも「美容室専門の税理士!」と大きく書きました。
すると、これまでは事務所周辺の地域からしか依頼がなかったのが、全国の飲食店から依頼が来るようになったのです。
他の業種からの依頼は今までどおりで飲食店からの依頼が増えたため、新規顧客を多く獲得できるようになりました。
他のこともできるとしても、それはそれで受ければよく、集客はどれか一つに絞って集中するほうが大きな結果を出すことができます。
なんでもできてしまう優秀な人や会社ほどたくさんのことに手を出してしまいがちです。
また、お客さんのためになりたい、喜んでもらいたいと思う優しい人も、どんなお客さんでも対応してあげないと、と思ってしまいがちです。
どの分野に資源を集中させるべきなのか、よく検討しましょう。
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