葬儀屋のマーケティング

マーケティング

葬儀屋のマーケティング手法から学べること

最終更新: 2019.9.26

とある葬儀に際してマーケティング的観点から
考えたことですが…

人間、いつかは死ぬものですしこればかりは
避けられないことです。

これを読んでいるあなたはまだ自分が
死ぬことについては考えるような年齢では
ないかもしれません。

でも、誰かのお葬式に出たときくらいは
そんなことについて考えますよね。

葬儀屋の集客は何が難しいか

しかしマーケティング目線でいくと、
そこで気になったのは
葬儀屋の集客についてでした。

葬儀業界というのは自動車と不動産以上に
特殊性があります。

自動車と不動産が特殊なのは、
単価が高いためにリピートを狙うことが
ほとんど不可能だという点です。

まあ不可能とまでは言わないまでも、次回購入が相当先になるのが普通です。

集客でいちばんお金がかかるのは、なんといっても新規集客

だから、通常のビジネスであれば
何度も購入してもらうことで最終的に利益に
つなげていくのがあるべき姿です。

しかし投資用などの目的を除くと、
自動車であれば普通は短くても2年単位、
不動産であれば5年から10年単位になってしまいます。

それでもこれらの業界は、販売する商品の
単価が高いため、常に新規集客のみで
セールスしていても利益が取れる
構造になっています。

そして、運が良ければリピートが狙えることもあるでしょう。

しかし葬儀業界はそういうわけにはいきません。
購買のタイミングがいつ発生するかも
不明な上に、買い手から見つけてもらうより
他ありません。

最大の問題は、リピートしてもらうこと、
つまり継続的に利用してもらうことが
不可能だということです。

「またのご利用をお待ちしております」とか
「次回使える割引券です」なんてことは
口が裂けても言えませんね。

冠婚葬祭の費用はケチってはいけないという
信仰や人情に基づく観念もありますから、
それも利用して1回きりの購買で大きな額を
ふんだくる…もとい、請求するのが
葬儀業界というわけです。

いや、構造的にそうせざるを得ないという
事情があるわけです。

さて、
あなたがもし葬儀屋を営んでいたとしたら、
どんな「集客」方法を考えますか?

ぜひ考えてみてください。

葬儀屋のビジネスモデル

これについては葬儀業界もかなり考えていて、
もしかしたらあなたの親族でご高齢の方が
いればやっている方もいるかもしれません。

それは、本人の生前に葬式を受注しておき、
毎月少しずつ費用を積み立てという形で
もらっておく、というモデルです。

「互助会」と呼ばれるもののようですが。

こうしておけば確実に自社で受注できるだけでなく、

  • ある程度未来の売上が確定する
  • 月々一定額を売り上げることができるためキャッシュフローが良くなる
  • キャンセルの可能性がほとんどないので、オプションも強気で売れる

などなど、葬儀社側から見て
良いことだらけなわけです。

もっとも、実際は積み立てた金額だけで
葬儀をすることは難しいので、
結局多額を支払わなければならないこと、

また解約ができないことから、
遺族が不満を残す結果になりやすい
というのは問題点としてあるようです。

冠婚葬祭については、
金銭的な部分については目をつぶろう、
という雰囲気になりやすいのも手伝って
あまり大きなトラブルにはならないのでしょうが…。

ここらへんについて詳しく知りたい方は
「葬式 積み立て」
「葬式 互助会」
などのキーワードで検索してもらうと、
より詳しくわかります。

しかし、仮に少々不快な思いをさせたり、
トラブルになったりしたところで、
そもそも最初からリピートは望めない業界
ですから、1回やってもらえさえすれば
利益は取れるわけですね。

ちゃんとリピートしてもらえるビジネスを
している場合は、顧客満足度の低下や
トラブルはもちろん避けたいものです。

ですが、未来の顧客を獲得する
月々の定額収入を得る
といった面においては
この葬儀屋式マーケティングは
大いに見習える部分があると言えます。

あなたのビジネスにも
この形式が取り入れられないか、
ぜひ考えてみてください!

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